最高裁判所第二小法廷 昭和36年(オ)402号 判決 1962年7月06日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人林達也、同国府敏男の上告理由について。
原判決引用の第一審判決が確定した事実によれば、訴外中村は上告会社の代表者たる代表取締役箱嶋甚次を代理して本件約束手形を振出す権限を有し、且つ右会社代表者本人の署名を代理することの権限をも与えられていたというのであるから、右中村が上告会社の代表者の署名を代理してなした本件約束手形の振出行為を有効と判断した原判決は正当である。
本件手形の振出につき偽造をいう所論は、独自の見解であつて、原判決には所論違法ないし理由不備はない。所論は採用できない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助)